愛媛県中小企業家同友会の新春例会に参加しました
報告者の(株)タテイシ広美社 代表取締役の立石良典さんより「事業承継のリアル:乗り越えた壁と見えた未来~葛藤と決断の連続、その先に見えた新たな可能性~」と題して、事業承継に関するご報告をいただきました。私は座長を務めました。

タテイシ広美社さんは主に看板の施工事業をされていて、有名チェーン店のサイン施工や東京オリンピック・パラリンピックのカウントダウンLED表示機など、全国各地から依頼があるので、みなさんもその看板を見かけたことがあるかもしれません。
ホームページ:https://t-kobisha.co.jp/
施工実績:https://t-kobisha.co.jp/works/
立石さんは二代目の後継者で、入社時3億円だった売り上げをなんと3年で10億円以上に伸ばしたにもかかわらず、目標を失って燃え尽き症候群となり、一時はストレスで会社に出られない状態になったこともあったそうです。
幸せそうな先代、つまらなそうな自分・・・
そんな立石さんを奮い立たせたのは社員さんの存在でした。「ダメになりそうなとき、自分は社員に元気をもらっていた」そんな社員を不幸にしないために文鎮型から組織経営への転換を図ります。
多様な働き方を提供して社員の能力を引き出せるよう同友会で学び、社員中心の理念型経営を目指す組織づくりを進めた結果、2024年3月には経済産業省が選ぶ「はばたく中小企業300社:人への投資、環境整備部門」も受賞されています。https://t-kobisha.co.jp/post-11904/
「45歳までに事業承継を勉強すべき」
「親子で株や資産の話は100%できない」
「理念とお金はセットで承継するべき」などなど、リアルな本音と実体験を包み隠さず報告してくださいました。
一方で、「先代が不快に感じる事例や背景もすべてやってしまった・・」と振り返ってましたが、よい時も悪い時も先代の立石克昭会長が見守り、時に救いの手を差し伸べてくれたエピソードも同友会ならではと思いました。

「経営者は事業に成功して50点、事業承継に成功して100点」といいますが、中小企業はそのバトンを親から子へ受け渡す場合が多く、親子ゆえの甘えやわだかまりなど、いい面もあれば悪い面もあります。
会社を承継するということはその会社の社員さんとご家族の生活の責任を引き継ぐということでもあり、日頃からどういう思いで社員さんと接しているか、先代と後継者がその目線を合わせることも重要な要素です。
私も同じ境遇にあるので、報告を通じて経営者と後継者が同友会で共に学ぶ大切さを改めて実感しました。
立石さん「熱く“いこった”」報告をありがとうございました。