開会式では参議院議員で薬剤師でもある本田顕子氏から「命を守る薬剤師~災害対応力を強化する薬剤師の視点~」と題して特別講演が行われました。本田氏は熊本県出身ということもあり熊本地震での実際の事例を交え、非常時における薬剤師の役割や、地域の特性を踏まえた今後の医療・介護サービス提供体制のあり方などを報告いただきました。
また、衆議院議員の塩崎彰久氏から「医療DXが拓く 医療・薬事の未来」と題した特別講演も行われました。地元愛媛の医療現場や患者団体からの声を直接国政に届ける様子や、マイナンバーカード導入の現状など、直近の課題や今後の展望などを報告いただきました。

経験を共有し、ミスを防ぐ
午後から行われた分科会では、平野薬局からも「平野薬局におけるインシデント報告システムの変遷」と題して口頭発表を行いました。
インシデントとは医療事故には至らなかったものの、ヒヤリ・ハッとした過誤の総称で、多くの医療機関で報告が義務付けられています。
インシデントの報告は、ミスした人を責めたり、反省させることが目的ではありません。
一人の経験をみんなの経験として共有し、会社全体の問題として捉えて、同様のミスの発生を防ぎ、過誤をできる限り減らしていくことが重要です。

そのためには、躊躇することなくインシデントを報告してデータを蓄積できる環境を整えることが必要です。平野薬局ではビジネスアプリを利用することで、薬剤師だけでなく、事務スタッフも含めた全社員への迅速な情報共有をして、再発防止に対する意識向上を図っています。
現在利用しているZohoにはAIによる解析機能も備わっているので、今後データが蓄積されれば、過誤が発生しやすい時間帯や内容をアラーム通知するなど、過誤の未然防止につなげることも期待しています。
今後も調剤過誤の防止に努め、地域の皆様から信頼される医療の実現を目指していきます。